はじめに:子どもの教育について
長女は三歳のころから、今現在住んでいる国でスクールに通っています。
学校選びや子供の教育は、第三国で暮らす家族にとっては重要なトピックの一つ。
今日は第三国での学校選びと、現地校やインター校で日々感じる日本の教育との違いについてお話しします。
現地の学校とインターナショナル校の選択について
海外での教育機関を選ぶ際、大きく分けて「現地校」と「インターナショナル校」という選択肢があります。
現地校は、その国の言葉で現地のカリキュラムを学ぶ場です。地域社会に根ざした教育が受けられ、何よりもその国で生きるための言語や習慣を自然に身につけられるメリットがあります。学費も比較的抑えられるため、長期滞在を考える家族には現実的な選択肢です。
一方、インターナショナル校は、英語やその他の言語で、海外のカリキュラム(IBやアメリカ式、イギリス式など)を学びます。カリキュラムや学校の方針によって教育内容は大きく異なり、それに伴って学費も幅広く、一般的に現地校より高額になる傾向があります。
我が家の子どもたちは、現在インターナショナル校に通っています。決して安くない学費には正直悩みましたが、子どもたちは毎日、のびのびと楽しそうに学校へ向かいます。その笑顔を見るたびに、「この選択は間違っていなかった」と感じるのです。
通わせているインター校の印象
私たちが選んだインター校には、明確な特徴があります。それは「多様性」が日常に溶け込んでいることです。
生徒構成を見ると、約半数が現地の子ども、残りの半数が国際結婚家庭の子どもや完全な外国人家庭の子どもです。アジア系、ヨーロッパ系、アフリカ系…さまざまなルーツを持つ子どもたちが、当たり前のように同じ教室で学んでいます。
特に印象的なのは、特別支援プログラムの存在です。この学校では、学習に特別なサポートが必要な子どもも、可能な限り通常の教室で学ぶインクルーシブ教育を実践しています。障がいの有無、国籍、言語能力…そういったあらゆる「違い」が、分離の理由ではなく、共に学ぶことの価値として受け入れられています。
子どもたちが当たり前のように「違い」を受け入れている光景を見たとき、私は「多様性」の本当の意味を教えられた気がしました。それは単に「いろんな人がいます」という表面的なものではなく、互いの違いを認め合い、支え合いながら共に生きること。この価値観は、教科書では決して学べない、この学校だからこそ身につくものだと感じています。
足りない部分は塾や補習校で
インター校での教育は素晴らしいですが、万能ではありません。特に言語教育においては、家庭での補完が欠かせません。
我が家のインター校では、授業は基本的に英語で行われます。そのため、子どもたちの英語力は確実に伸びています。しかし、私たちにとって大切なのは英語だけではありません。私の母語である日本語、そして夫の母語であるフランス語も、子どもたちに継承していきたい言語です。
そこで活用しているのが、放課後の塾や週末の補習校です。
週に2回の放課後、フランス語のレッスンがあります。レッスンが終わった後は、子どもたちがその日習ったフランス語の表現を家族に披露するのが習慣になっています。

また日曜日には、子どもたちは地域の日本語補習塾に通います。そこでは、読み書きだけでなく、日本の季節行事や文化についても学びます。
一見すると、子どもたちの負担が大きいように思われるかもしれません。でも実際には、彼らはこれらの時間を「友達に会える特別な日」と捉え、楽しみにしています。同じような背景を持つ子どもたちが集まる補習校は、言葉を学ぶ場であると同時に、自分たちのアイデンティティを確認できる居場所にもなっているのです。
学校選びの決め手
私たちが最終的にこのインター校を選んだ決め手は、いくつかの基準を総合的に判断した結果です。
最も重視したのは「子どもの母国語」と「伸ばしたい言語」のバランスです。インターナショナル校を選べば英語力は確実に伸びます。しかしその一方で、家庭内言語(日本語とフランス語)をどう維持するかという課題が生まれます。私たちは、学校で英語力を伸ばしながら、家庭と補習校で母語を育てるという体制を整えられるかどうかを慎重に検討しました。
またこのインター校では現地のカリキュラムの時間も確保されていて、子供たちの現地語はこの時間で伸びたと言っても過言ではありません。現地に根付けるよう現地語も学びつつ、今後世界を視野に入れられるカリキュラムで学べるのは現地でもここだけでした。
そして現実的な問題として「予算」も重要な判断基準でした。インター校の学費は決して安くありません。でも、教育への投資は将来への最も確かな投資だと考え、家族で話し合い、優先順位を決めました。
学校選びに正解はありません。大切なのは、家族の価値観や子どもの特性、将来の可能性を見据えながら、その時々の最適解を選んでいくこと。私たちの選択が正しかったかどうかは、子どもたちの成長を見守る中で、これからも問い続けていくのだと思います。
「個性」の捉え方:突出していることが評価される
最後に、日本の教育と最も違うと感じる点をお伝えします。それは「個性」に対する考え方です。
日本の教育には「出る杭は打たれる」という言葉がぴったり当てはまることがあります。みんなと同じであることが安心であり、突出することは時に「和を乱す」と見なされます。
しかしこのインター校では、まったく逆でした。何かに秀でている子は、それを積極的に評価され、さらに伸ばす機会が与えられます。
この学校の教育方針は、「その子の良さを伸ばすこと」に重きを置いています。平均点を取ることよりも、自分の情熱を追求すること。不得意なことを克服する努力をしつつも、得意なことをさらに極めること。そんな価値観が、日常のあらゆる場面に息づいています。
おわりに:違いの中で育つ子どもたち
日本とインター校、どちらの教育が「正しい」かという問いに、今の私は答えを持ちません。どちらにも素晴らしい点があり、どちらにも課題があります。
でも一つ確かなのは、この両方の視点に触れられることが、子どもたちにとって大きな財産になっているということです。日本の「調和」と「思いやり」、インター校の「個性」と「多様性の尊重」。相反するように見えるこれらの価値観を、子どもたちは自分のものとして消化し始めています。
教育に正解はありません。特に国際家族の場合は、なおさらです。でも、目の前の子どもの笑顔と成長を信じて、これからも私たちは、日本とインター校、2つの教育の良いところを組み合わせた「我が家流」を模索し続けたいと思います。
この記事が、海外での教育に悩むご家族の、小さなヒントになれば幸いです。